漫画

「鬼滅の刃」超絶ヒットの理由を分析してみる

※ネタバレ控えめにしてるけど嫌な人はバックしてください

 

初めてジャンプの表紙で鬼滅の刃を見たとき「渋い漫画が始まったな」というのが第一印象だった。

例えるなら「ベルモンド」や、かなり古いが「アウターゾーン」かな。

ストーリーも

  1. 鬼に惨殺された家族の敵を打つため鬼退治
  2. 鬼にされた妹を人間に戻す

超シンプルだ。

ヒロアカみたいにこれはすぐに売れそうだ!なんて予感は全然しなかった。

なんせ主要キャラの一人が猪の被り物してるヤベえ奴なんだから初見殺しにもほどがある。

(伊之助いいよね)

・・・しかしあっと言う間に、鬼滅現象を引き起こし日本経済に影響を与えているのだから本当にすごい。

どうしてここまでヒットするに至ったか?

何にそこまで惹きつけられるのか?

真面目に考えてみる。

 

アニメのクオリティが異常

原作付きアニメにありがちな原作のテイストぶち壊しや謎オリジナル要素が殆どない。とにかくキャラクターが原作の雰囲気そのままに超なめらかに動く動く。原作のカラーイラストがそのまま動画になったようなクオリティを最終話まで維持している。これはかなりすごいんじゃないだろうか。

アニメからコミックを買わせる力を確実に感じる。

原作の再現度が高い

吾峠先生の画風を忠実に再現しつつアクの強さを洗練させている。原作は割と淡白な印象だけど色がついたことで人物・背景描写ともに立体感が大幅に増していると思う。アニメだと間を繋ぐ余計なセリフが入りがちだけど、蛇足と感じるセリフもほとんど無かった。原作ファンの期待をこれでもかこれでもかと裏切らないような作り込みを感じる

キャラクターが良く動く

漫画の戦闘シーンは止め絵が多いのでいわゆる聖闘士星矢的もしくは必殺仕事人的にバシッと決めることが多い。

例えば居合の達人善逸が初めて壱ノ型 霹靂一閃を放つとき、超スピードで敵も気づかぬ内に切り捨てる技を漫画では結果として魅せる感じなんだけど、アニメではカメラアングルも凝りに凝りまくりすごく丁寧にスピード感を描写しているので、善逸の隠れた強キャラ感がより浮き彫りになっている気がする。ちなみに霹靂一閃六連は作画盛り盛りで物凄くかっこよくなってる。アニメスタッフの善逸に対する愛を感じるよね。良い。

鬼たちもキモいは跳ねるは飛び散るは、北斗の拳の雑魚真っ青の活躍を見せてくれる。

全話どのシーンでも作画のクオリティが高い

週一放送のアニメでこんな事できるのかと驚いた。修行シーンや日常シーンを含めても作画に手を抜いたところが全く無かった。アマプラで一気観したんだけど最初から最後まで絵柄の統一感もブレてない。

アニメを見た後に原作を見る

マニアックな楽しみ方だと、アニメはある程度万人受けする作りにはなっているので、原作を見ると吾峠先生濃度100%を堪能出来るので「やっぱり原作もいいなあ」と二度美味しいを楽しめる。

 

正直アニメの出来がここまで良くなかったら、ここまでのヒットにはならなかったんじゃないだろうか。当然そのためには各キャラクターのよく練られたバックボーンや、シンプルなストーリー構成を独特の世界観に仕立てる吾峠先生の作品構成が必要不可欠だったのだろうけど。ufotableの残した功績は大きい。

とりあえず無惨様

ラスボスポジの無惨様はいろんな理由で超越者になろうとするんだけど、本人の理想とは裏腹に 悪い意味で超人間臭い。しかも色々ずれている。鬼の頂点なのにめちゃくちゃ人間臭い…新しすぎる。

無惨様の残した数々の功績(失態?)は割愛するけど、銀英伝のラインハルトやベルセルクのグリフィスの真逆を行く、逆カリスマ性で読者たちを魅了してしまった。鬼殺隊にはかなり入りたくないけど、それ以上に十二鬼月には絶対なりたくない。あんまりいないタイプのボスなのでとりあえず無惨様を見てるだけで色々楽しめる。部下との会話中でも戦闘中でもいついかなる時でも、マジ無惨様なのであのイケメン顔から繰り出される数々の至言及び至高の振る舞いがアニメ二期でも拝めると思うと今から楽しみでしょうがない。

台詞回しがセンスの塊

いい意味で独特。義勇さんなんか1話の台詞を言わせたいがために生まれてきたキャラなんじゃないだろうか。炭治郎の啖呵もジャンプ主人公をしっかりやりつつ陳腐な感じは全く無い。オレは「寄生獣」の岩明均先生の台詞回しが大好きなんだけど、その理由が作品の世界観に引き込む力とても強いから。それに通づるものがある。上記の無惨様はマジ無惨様至言オンパレードなので最高。

女性陣なんかエロい

みんななんかエロくない?

・ねづこの足

・恋柱さんのいろいろ

・しのぶさんという存在

・珠世さんの血鬼術発動シーン

・カナヲのスカート + ブーツ

・堕姫

・不死川実弥の胸板

吾峠先生絶対やばいフェチ持ってるよ。

漫画家の誰かが己のフェチを全開に出来るかどうかか分水嶺的なことを言ってたけど、吾峠先生ご自身から滲み出る変態…もとい作家性が女性陣にいかんなく発揮されている。めっちゃ良い。

総括

結論:鬼滅の刃は面白い。原作でもアニメでも一度見てみることをオススメしたい。未読・未視聴ならば可能な限り既に溢れまくっている情報を出来るだけ遮断し、フラットな気持ちで臨んでもらいたい。

ちなみに『無限城決戦の後弱体化した鬼殺隊は解体され、政府公認の組織として外国勢力を取り入れ高度に組織化した『鬼滅隊』として再編成し舞台も現代に移る。それに対抗するかのように鬼も組織化が進み現代のテクノロジーを取り入れて物凄く厄介になっている。要はD.Gray-manかヒロアカっぽくなる』というオレの予想は見事に外れた。

映画もとんでもないことになっているので波に乗っている今のうちに見に行くか、もう少し落ち着いてから行こうか超迷う。

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